あとがき

 

 このたびは、数ある作品のなかから『辻褄先生のオカルトフォトクリップ』をお気に留めてくださりありがとうございます。
 ご縁がありまして、自身で六冊目となる著書をSKYHIGH文庫様より刊行させていただけることになりました。
?オカルト?なんてタイトルがついていながら、本作は主人公・三十路裄の自分探しの物語で、ホラー感を期待してお手に取っていただいた読者さんには、少し物足りなかったかもしれませんね(汗)
『辻褄先生』は、まずキャラクターから生まれました。
 この作品では、しっかりとキャラクターを作りこもう! と、今まで以上にキャラクターを尖らせるように意識しました。(え、え? 尖ってます……よね?)
 初めにできたのが、美人で風変わりな社会人女性、男性のような口調で写真が趣味の辻褄藍です。さて、この人をどうしたら活かせるかな、ストリーテラーにするとどうなるかな……などいろいろ考えた末、彼女を客観的に見るクールな優等生の裄が誕生しました。
 札師でオカルトな写真を撮る変わり者な辻褄先生に対し、裄は思いっきり冷静(ときには高校生らしからぬほど)にしっかりと現実を見ます。
 いくらしっかりしているとはいえ、裄君はまだしがない高校一年生です。
 一〇代なんて自分探し真っ最中。?ぼくは・わたしはこうありたい?という理想と、現実との乖離にもがいたりくじけたりするようなお年頃です。(ええ、作者もありますとも。挫折のひとつもふたつもみっつも)
 作中ではそれほどに文学的にもがき苦しむような青春群像の描写はありませんが、辻褄先生を中心とする出会いを通し、裄が自分を知って、神様たちとの関わりでちょっとだけ成長したりして……なんてところを楽しんでいただけたらなと思います。
 親ばかなようですが、クールに見えてものすごく心の声を語ってくれる裄君、可愛いです。表面では驚いていなくても心のなかでは驚いたりしているところ、素直じゃなくて本当に憎めない。(セリフではあまりどもったりせず、「!」や「!?」があまりつかないようにしているところが、裄君描写のこだわりだったりします。あまり、です。あくまでもあまり。篠宮比で、です)
 そんな裄君を、辻褄先生にはぜひとも素直に改革してほしい、あなたならできる! という感じで、ふたりのやりとりは本当に楽しく書かせていただいてます。
 裄の目線で辻褄先生を見つめてみたり、辻褄先生目線で裄をつついてみたり、いろいろな方向から少しでも楽しくお読みいただければなと思います。
 最後になりましたが、執筆におきましてプロット段階から懇切丁寧にご尽力いただきました編集の長谷川様、校正ご担当者様、出版に際しご尽力いただきましたSKYHIGH文庫編集部様・営業様・エブリスタの出版ご担当者様、そして本作の表紙・キャラクターイラストをご担当くださったえいひ様、デザインをご担当くださったご担当者様。みなさまのお力添えのもと、こうして一冊の作品にしていただけたこと、本当に感謝いたしております。
 本当にありがとうございました!
 もしチャンスがあれば、また、辻褄先生と裄の新たな物語が書けたらな……なんて願望もこめつつ。未熟ながら今後も頑張ってまいりますので、作品ともども見守っていただけると嬉しいです。

篠宮あすか