「まつりの夜、ぼくたちは。」のあとがきに目を通していただき、ありがとうございます。
SKYHIGH文庫賞受賞の報せには最初「夢じゃないかな?」と思いましたし、話が進んでも「夢かもしれない」と思っていましたが、こうしてあとがきまで辿り着くことが出来てホッとしています。ちゃんと現実でした。
あとがきを書くのは初めてですので、とりとめのない箇所もあるとは思いますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
さて。
思えば、園田たち四人との付き合いは大学時代からのものになります。
在学中に「好きなものを詰め込んだ話を書こう」と思い立ち、書き上げたのがこの話の原型です。
おかげで、凡人と変人、夏祭り、夜の学校、友情、学生など、好きなものをてんこ盛りにした話が出来上がりました。楽しかったです。
図書館で原稿用紙を埋めていたこと、通学途中の電車で窓の外の風景を眺めながら「あそこの展開どうしようかな〜」と考えていたことなど、今でも時々思い出します。
大学卒業後も、思い返してはちょこちょこと修正したり、構成を変更したりはしていますが、基本的な部分はあまり変わっていません。
至って普通の人間である園田を軸に、成島・仁羽・遠山の変人たちと夜の学校で過ごし、バラバラだった四人が少しずつ距離を縮めていって、凡人によって変人が感化されていく、という点はずっと同じままです。
長く付き合ってきた園田たち四人の話を、こうして本という形にして、たくさんの人に届けることが出来て、本当に嬉しいです。
みなさまの心には、四人が過ごした夜はどんな風に届いたでしょうか。
笑顔になれるような、そんな風であったらいいなと思っています。
それでは最後に、感謝の言葉を。
担当の川武當さんをはじめとした編集部のみなさま、制作に携わってくださった方々。
素敵なイラストで四人に命を吹き込み、園田たちが過ごした夜をあざやかに彩ってくださった吉田ヨシツギさん。
受賞が決まってから、多方面に渡ってサポートしてくれた家族、快く応援してくれた職場の方々。
「本を出すよ!」と伝えたら、自分のことのように喜んでくれた友人たち。
(特に、大学時代から四人を大好きだと言ってくれたSちゃんには、大変お世話になりました)
みなさまがいてくれたからこそ、この度こうして物語を形にすることが出来ました。ありがとうございます。
何より、「まつりの夜、ぼくたちは。」を目に留めてくださったあなたに、最大級の愛と感謝を贈ります。
園田たち四人を、ほんの一時でも心の片隅に置いてもらえたなら、彼らの物語を一緒に過ごしてもらえたなら、これ以上嬉しいことはありません。
最初は私の頭の中にしか存在していなかった物語が、文字となって動き出し、大勢の人の手によって輝きを増し、世界を広げてあなたの所へ向かっていけることの幸福を、何度も噛み締めています。
たくさんの物語の中から「まつりの夜、ぼくたちは。」を見つけてくれて、本当にありがとうございました!
咲間十重