あとがき

 

 はじめまして、如月新一です。
『放課後の帰宅部探偵 学校のジンクスと六色の謎』のあとがき、にお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
 深緑や白亜たちの、無色の青春をお楽しみいただけましたでしょうか?
 これから読む方は、どうぞよろしくお願い致します。
 
【受賞に至るまでのお話】
 僕は本格ミステリーが好き! 謎解きやパズルが大好き! というミステリーに対するジャンル愛よりも、謎が解けた後、風のように吹き抜けて行くテーマがあるミステリー作品や、謎要素はあくまで包装紙で開けたらプレゼントがある、みたいなミステリー小説が好きです。そういう小説を目指して、精進したいと思います。
 パット・マガーの『四人の女』とか、江戸川乱歩の『恐ろしき錯誤』とか、島田荘司先生の『異邦の騎士』とか、 天藤真の『大誘拐』とか最高だぜ、と痺れます。あと、ローレンス・ブロックとドナルド・E・ウェストレイクも良いですよね。
 それに、チャック・パラニュークのような作家にも憧れてしまいます。
 止まらなくなるので、止めます。
 本作は大学四年生の頃(五年前?)に書いたものだったのですが、どこかに発表をするでもなく、引き出しにしまってありました。それから時が経ち、エブリスタ小説大賞SKYHIGH文庫賞の「ミステリー、青春、または双方を題材とした小説作品を募集します」という募集要項を目にした瞬間、「はい! はい! 僕、それ書いてあります!」と応募させていただき、受賞する運びとなりました。
 多くの作品の中から、拙作を選んでいただけたことがとても嬉しかったです。
 良い小説になるから、どうか受け止めて! と書いた小説なので、キャッチしていただき、ありがとうございました。
 読者のみなさまの心に何かが残る小説になっていたら、これ以上幸せなことはありません。
 
【本作を執筆したきっかけ】
 スポーツで健康になろう! 恋をしろ! 旅をしろ! 青春は短いから時間を無駄にするな! そういうことを言う先輩や大人にたくさん会い、「うるせー! 好きにさせろ!」とげんなりすることが多く、そんなにとやかく言うなら無駄と思える帰宅部を主役に素敵な青春を書いてやりますよ、と思ったのが執筆するキッカケでした。
 僕はテーマ先行というか、反骨精神から物語を作り始めることが多い気がします。横浜育ちだし、ロックンロールが好きだから、しょうがないですね。
 他人に理解してもらえなくても君にしか見えない景色はあるはずだよ、そんな小説が書けたんじゃないかなと思っています。
 
【本作のテーマソング】
 僕の人生で音楽は欠かせません。
 物語を書く時に、キャラクターやお話にテーマソングを決めて、プレイリストを作るのが毎回の楽しみです。執筆中は聴けないけど、執筆前やプロットの時はガンガン聴いて、作品に精神をチューニングしています。
 本作のテーマソングは、BUGY CRAXONE(ブージー・クラクション)という日本のロックバンドの「チーズバーガーズ・ダイアリー」という曲です。楽しさと淋しさの同居するギターリフとメロディ、ガツンとくる歌詞が最高です。本作と合わせて聴いてみると、「あぁ、なんかわかるわぁ」と楽しめるのではないでしょうか。
 
【謝辞】
 いつも励まし合いつつライバルになってくれている盆ノ木至、大学時代から原稿を読んで感想をくれる瀧波コウセイ先輩、折れかかっている僕に「小説書きなよ」とカムバックさせてくれた親愛なるS.Fさん、僕の青春時代を彩ってくれた友人や先輩たちと先生方。
 これ以上ないほど素敵なイラストを描いていただいた花ヶ田様、キャラクターと出会えたようで感動しました!
 粘り強く作品の修正に付き合っていただいた担当編集者の印藤様、より良い小説になっていく! と思いながら、執筆することができました!
 作品に携わっていただいた全ての方、小説家になることを応援してくれた母、大学院で僕にかまってくれた先輩方、コミティアで知り合った創作仲間、エブリスタの頃から応援していただいた読者のみなさま、僕は一人じゃなかったから、やっとこうして形にすることができました。
 ありがとうございます。
 

如月新一