あとがき

 

 このたびは、「百々とお狐の見習い巫女生活」をお目に留めていただき、ありがとうございました。
 千冬と申します。小説投稿サイト「エブリスタ」様で、小説を書かせていただいております。
 今回、SKYHIGH文庫様からお声がけをいただき、サイトで連載中のこの作品を、書籍にして出版する機会をいただきました。
 もともと、この作品の主人公である百々の祖母の話を書きまして、そこから百々の母の話、曾祖母の話と来て、まるで四屋敷一族の家族史のようになってしまい、曾祖母の話で終わりにしようと思っておりました。そこに、降りてきたのがこの「百々」なのです。
 猪突猛進、勇猛果敢な祖母。
 おおらかで温厚、優しい母。
 四屋敷歴代当主の中でも逸物と名高い曾祖母。
 さて、それではこの子は一体どんな子だろうと考えながら書いていきましたら、こんな子になりました。
かなり天然のうっかりさん。
 仕方ないのです、17歳ですもの、圧倒的に人生経験が不足しておりますもの、それにしてもうっかりさん。いずれ成長して当主となった暁には、大物になってもらいたいものです。
 このように一族の設定がほぼ決まっておりましたので、逆に以前書いたものとあまり齟齬が生じないようにと苦労する毎日です。そして今回、舞台を新潟としてはっきり書かせていただきました。
 新潟。はい、千冬は新潟生まれの新潟育ち、生粋の越後人です。
 自分の住んでいるところを設定に生かすのはあまりしたことがないので、どこまで書いていいものか悩みましたし、今でも迷っています。新潟のいいところをたくさんアピールしたい、でも許可なく本当の名称をどこまで使っていいものか、かといって想像して書いたらそんなもの新潟にはないだろうと言われるんじゃないかとドキドキしたり。
 千冬は、かなりの確率でチキン(弱虫)になります。
 スキル「ザ・チキン」発動。
 この作品に出てまいります、百々が修行中の神社は、実在しておりません。ですが、私の中で二つの神社のイメージが掛け合わさったものです。
 一つは新潟県護国神社。もう一つは新潟白山神社。
 もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、想像しながらお読みいただけると嬉しいですし、新潟においでになる機会がありましたら、ぜひぜひお薦めしたい神社です。他にも、信濃川やそこに架かる萬代橋に昭和大橋、お茶請けにどうぞな銘菓の数々。
 ああ、書きたかった、アピールしたかった、新潟大好き。
 最後に、本書発刊にご尽力いただいた編集の長谷川様並びに編集部の皆様、デザイン、校正などこの本を素晴らしい姿に仕上げてくださった皆様、ありがとうございました。表紙やキャラクターデザインで私の稚拙な想像力を何百倍も膨らませてくれた紅木春様、ありがとうございました。
 そして、このあとがきを読んでくださった皆様、書籍を手に取ってくださった皆様に心から感謝いたします。

千冬